Dr.GeoでEtoysのスクリプトを使う

単体版のDr.geoではなくEtoys版のDr.Geoを使う理由は,Etoysのスクリプトが使えるからです。例えば,以下のようにチェバの定理をDr.Geoで確認しようとすると単体版ではどうしてもSmalltalkの知識が必要になりますが,Etoysでは簡単なスクリプトを作って確認することができます。

三角形の準備

最初に三角形ABCを作成し内部に点Pをとります。点に名前を付けるのは丸で囲んだボタンを使用します。赤丸のボタンをクリックすると続けて点に名前を付けることができます。付け終わったら右隣の選択ボタンをクリックして終了させます。

次に各頂点から点Pに半直線を引き交点をそれぞれD,E,Fとします。

三角形の辺AB,BC,CAを隠します。隠すのは点に名前を付けるのと同じボタンを使います

次に線分AF,FB,BD,DC,CE,EAを引きます。このようにした理由は線分AF等の長さをスクリプトで使用できるようにするためです。

各辺の長さを表示させます。表示するには赤丸のボタンを使用します。

スクリプトの作成

Etoysのビューワのボタンをクリックして,AF,FB,BD,DC,CE,EAのそれぞれの長さの値(線分ではなくその長さのほう)のビューワを開きます。その際オブジェクトの名前(DrGValueなどの名前)を分かりやすいように線分の名前に変更します。

変数を作成

数値変数を作成します。どこに作成してもいいのですが,ここではDr.Geoに作ることにします。Dr.Geoのビューワを出して,Vの印をクリックして名前を分母,分子,比の値とします。小数の桁数(decimal places)は10桁にします。

スクリプトの作成

スクリプトを作成する時,空スクリプトをDr.Geoの背景に入れるとスクリプトが展開されないのでDr.Geoを小さくしておきます。隠した時に三角形が見えなくなったら右下の緑色の帯をドラッグして図形が見えるようにします。

Dr.Geoのビューワを出して,空スクリプトをEtoys上にドロップして,分子,分母,比の値の代入のタイルを入れます。

各線分の長さを表すタイルは,Dr.Geoカテゴリの中にあります。

値は小数10桁で表示するようにします。

チェバの定理の分母,分子,比の値を計算するスクリプトを作ります。(ここでは分かりやすいように3つに分けましたが,変数を比の値だけにして作ることもできます。)また,スクリプトを作りながら各線分の値の変化がわかるように,それぞれのタイルを「じっくり見張る」で出します。また,比の値についても「じっくり見張る」で出します。

最後にスクリプトをチクタクさせて,点Pを動かしてみます。点Pをどのように動かしても比の値は常に1.0000000000でかわらないことが確認できます。