を集合とする.
のひとつひとつの元に対し,
の元を一つ対応させる規則が定められていて,
その対応を記号
で表すとき,
から
への写像(map)
が与えられると言う.(
但し,対応が具体的な式で表される必要はない.)
や
が数の集合のとき,写像のことを関数(function)とよぶことが多い.
また扱う集合によって写像のことを作用素
とか変換あるいは演算とよぶこともある.
が
から
への写像であるとき,
で表し,
を
の定義域(domain)または始域と言い
で表す.
また,
を終域とよぶ.
写像
によって,
が
に対応することを,
で表す.
このとき
を
の
による像と言い
であらわす.
上の例2.1の1の対応を
で表すとき,
である.
従って
`
の式' のような表現を与えると一つの写像(関数)が得られることになる
.このように式を与えて写像を定義する場合,定義域が何であるかが不明であるが,一般に定義域が具体的に何も言及されていないときは,値の定義される元全体
を定義域と考えるのが普通である.
と
を
から
への写像とする.
の任意の元
の
による像が一致するとき,
と
は等しいと言い,
で表す.
から
への写像全体も集合である.
この集合を
(あるいは
)で表す.
1 | 2 | 3 |
このような表の全体は
通りある.
を
の像(image)あるいは
の値域とよぶ.
の値域を
あるいは
で表すこともある.
であるから,
ならば
である.
2:
であるから,1.より
である.
よって,
である.逆に,
とすると,
となる
が存在する.このとき,
ならば
であり,
ならば
である.従って,いずれにしても
が成り立つ.
3:
であるから,1.より
である.
よって,
である.
かつ
とする.
となる,
すなわち
実数
に対し,
と
の間にある実数の集合を考える.このとき
をその集合に含めるかどうかを考慮すると,
つぎのような4種類の集合を考えられる.
の形の集合を閉区間とよび,
の形の集合を開区間とよぶ.
16
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であるから,この区間では
である.従って,
である.また,
をみたす任意の
に対して,
とおくと
を
みたすから,
も成り立つ.よって,
とする.
に対し,その像が
に属するような
の元全体を
の(
に関する)
逆像(inverse image)とよび,
で表す.
である.
2:
3: 演習問題
4:
5: 演習問題
TAKAHASHI Makoto : http://herb.h.kobe-u.ac.jp/