二つの集合に対し,
か
の少なくとも一方に属する元をすべて集めて作った集合を,
と
の和集合,結び(union)とよび,
で表す.すなわち,
である.
,
のとき,
2:
3:
4:
5:
とする.場合に分けて証明する.
が成り立つとき,
より
である.
が成り立つとき,
より
である.
いずれの場合もが成り立つ.
定理1.55
の5.の証明にあるように,
の形の命題を証明するには
場合わけを用いることが多い.具体的には,
と
の場合にわけて.
と
を示すのである.
二つの集合に対し,
か
のいずれにも属する元の全体からなる集合を,
と
の共通部分,交わり(intersection)とよび,
で表す.すなわち,
である.
,
のとき,
のとき,
と
は互いに素(mutually disjoint)であるとよばれる.
二つの集合に対し,
に属する元で
に属さないものの全体からなる集合を,
から
を引いた差集合(difference)とよび,
(あるいは
)で表す.
すなわち,
である.
定義より
が常に成り立つ.
,
のとき,
かつ
ならば
:
一般に与えられた集合の元や
の部分集合のみを考察の対象にするとき,
を全体集合,全集合(universal set)とよぶ.全体集合として
を考えているとき,
を
の(
に関する)補集合(complement)とよび,
で表す.ド・モルガンの法則より次の定理が成り立つ.
とすると,
である.
順序対の概念を,
や
のような3つ組や4つ組などに拡張することで,
集合
の直積
,集合
の直積
などを定義することができる.また,
を
で表すことにする.
集合の部分集合をすべて集めてできる集合を,
のべき集合(power set)とよび,
で表す.
である.
集合
のべき集合
は,
TAKAHASHI Makoto : http://herb.h.kobe-u.ac.jp/